旧シエンタでNexus7+ELM327+OBD2+Android Torque ProでHUDを構築してみた感想
2015/11/10
シエンタってセンターメーターなんですが、ぶっちゃけこれ見づらいんですよね。
運転中の目線を正面からセンターメーターへ移動させると、真下を見るよりも距離があるから、地味に疲れる。
これを解決すべく、フロントガラスに情報を反射させるHUD(Head Up Display)を使いたいなと前から思ってた。
結論から書くと、Nexus7では反射の問題でHUDとして見づらかったので、構築はしましたが使ってません。
備忘録的な感じで書き残しだけしてみると思った次第です。
目次
旧シエンタの前期型は、一般的なOBD2のポン付け形式のHUDは使えない
簡単にいうと、日本車はOBD2のプロトコルが日本独自のものを各メーカーが2009年くらい?まで使っていたから、それが海外共通で使われているOBD2のプロトコルにあわせて作られたポン付けのHUDに適合せずに、使えない。
これは憶測ですが、以下の適合表でStandardで接続できない車種は、ポン付けは不可能だと思います。
参考: OBD Info-san! 動作確認済み車両
何にせよ、日本車でポン付けのHUDを使う場合は、購入前に絶対に動作確認した方が良いと思います。
で、シエンタもこれにあてはまって、全車種にOBD2のポートはついてるものの、製造が古い前期型はOBDIIのプロトコルが「 TOYOTA K-LINE 」というプロトコルで、これはトヨタ独自のプロトコルとなるため、海外製のOBDII対応のポン付けHUDが使えません。
自分はこれを知る前に実際に買って使おうとしましたが、非対応で返品することとなりました。
なので、OBD2から情報を取得する際に、アプリなどでプロトコルにあった方法でデータを取得する必要があります。
シエンタ前期型のOBD2のデータはELM327のV1.5にて取得可能
現在、アプリなどでデータを閲覧する際のOBD2からのデータ取得方法でメジャーなものは、ELM327とよばれるデバイスをOBD2ポートに挿して、ELM327からBluetoothでデータを取得する方法です。
注意点としては、ELM327にもファームのバージョンがあり、旧車種にも対応しているv1.5と、旧車種に対応していないv2.1があるため、旧シエンタの前期型など、2000年前半のモデルはv1.5を選択する必要があります。
ですが、現在このv1.5のELM327が非常に少ない。
特に電源をACCにカスタムしやすい形の、このオレンジのやつは国内だと取扱がほとんどありません。
参考: ELM327 ODB2スキャンツールACC電源化改造
ちなみにACC連動にする理由は、OBD2は常時電源となるため、差しっぱなしだとバッテリーがあがる可能性があるため、常用するのであれば常時電源と切り離した方がよいかなという点です。
自分は中国のaliexpressで直接購入しましたが、ぶっちゃけ中国からの通販は最短で15日、運が悪いと荷物が到着しない、不良品が多いなどトラブルが多いので、あまりおすすめしません。
関連: AliExpress.comで中国から通販をしてみた | hycko.blog
本来はELM327はカナダのメーカー品ですが、現在出回っている2000円以下のELM327デバイスは、ほとんどが中国のパチモノです。
一応問題なく使えるのですが、付属しているCDにウイルスが入っているので、なるべく付属のCDは使わないほうが良いかと思います。
ちなみに本来有料のTorque ProのデータがCDの中に勝手に入ってるw
ELM327のBluetoothはiPhoneで受信できず、Android端末でのみペアリングできました。
ELM327のデータをHUD表示に対応しているアプリのTorque Proで読み込む
Android端末でELM327とペアリングができれば、後はアプリ側でOBD2のプロトコルを指定しながらデータを受信すればOKです。
とりあえず正常に受信できるかどうかのテストとして、OBD Info-San!という国産のOBD情報表示アプリの無料のトライアル版で、データの表示をしてみましょう。
参考: OBD Info-san! トライアル版 – Google Play の Android アプリ
このアプリの特徴は、予め日本車の様々なOBD2のプロトコルに対応したプリセットが揃っている点です。
以下のリンクの車両情報の通りに、前期型シエンタの場合はToyota K-Lineを選択して接続します。
参考: OBD Info-san! 動作確認済み車両
個人的には、国産のOBD Info-San!を応援したいのですが、こちらは対応中ではある様なのですが、残念ながらHUDモードがないのです・・・。
なので、OBD2アプリの中で唯一HUDモードを持ち、世界的に有名なTorque Proというアプリを使うことにしました。
参考: Torque Pro (OBD2/Car) – Google Play の Android アプリ
TorqueにもLiteと呼ばれる無料のバージョンがありますが、こちらはプロトコルが指定できないので、Toyota K-LINEは読み込みできませんでした。
Torque Proには車両情報を登録する設定があり、その際に Very Advanced-ELM327 custom configuration string という項目があるので、そこにコマンドを入力することで Toyota K-LINE に対応したプロトコルでのデータ受信が可能となります。
前期型シエンタの場合は以下のコマンドを入力することでTorque ProにてECUに接続できるようになり、データの受信が可能となります。
atib96 \n atiia13 \n atsh8113f1 \n atspa4 \n atsw00
後はデータ表示のダッシュボードにてHUDモードでの表示を選択してフロントガラスの下に設置すれば、Nexus7でのHUDの完成です。
Nexus7でのHUDを使ってみた感想
こんな感じで映りました。
反射が二重に映ってますが、これはHUD用にフィルムを貼れば解決するそうです。
結論から先に書くと「タブレットではHUDでの表示に適していないので不要かな」というのが正直な感想です。
Nexus7だと表示が大きくて煩わしい
前述の写真だとわかりづらいのですが、7インチタブレットをHUDにすると、タブレット全体が反射してフロントガラスに映るので、フロントガラス全体に占める表示領域が大きくなりすぎるんです。
言い換えると、常時タブレットの反射が運転の視界に強く入ってくるため、目が疲れる。
以前に返品したHUDは、確かにディスプレイがノングレアで作られていて、反射しないようになってた。
LEDで光っているメーターだけが反射するようになってたので、表示領域が少なくて見やすかった。
参考: ADD Head-Up Display ADD-CMC|みんカラ
上記リンク先の画像みたいに、メーターのみが浮き出る感じだから、占有領域が少なくて、HUDの表示が煩わしくなかった記憶がある。
これと比べるとタブレットだと画面全体が反射してしまうため、占有領域が大きすぎて目が疲れてしまう感じです。
なので、自分は常用はできないと判断しました。
やっぱHUDも専用のデバイスがベストということですな。
ちなみにamazonでHUDで検索すると色々とヒットしますが、自分が購入した以下のタイプはめっちゃ見やすかったです。
色々な名前で売ってるけど、見た目がこれと同じなら内容同じだと思う。
通常のHUD表示+Bluetoothも対応と書いてあったからこれにしたけど、自分の車種では使えなくて残念。
でもほんと見やすかったなぁ、これを設置して走ってた時は、HUDに煩わしさを感じなかったんだよね。
意外とHUDで速度を確認しないことに気がついた
煩わしさを感じながらも、Nexus7でのHUDを設置しながら走ってたんだけど、意識的に速度を確認するシーンが、自分が普段走っている中では少ないことに気がついた。
というか具体的には、前方がクリアで自分が先頭の時にしか速度って確認しなくて、自分は普段は交通量の多い国道とかそういうところしか走ってないから、あまり速度自体を確認する必要がなかった。
多分、地方とかで比較的交通量が少なくて80km/hとかを出す機会が多いと、速度を確認するケースが増えるから、HUDが役立つかもしれない。
なので、ガジェット好きとしては「Nexus7 + ELM327 + Torque Pro」でのHUD化は楽しかったのですが、実用性は低かったという結論になります。
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